外部ストレージからKali Linuxをブートさせた後は、Liveの状態(電源を切ったらデータ等が保持されない)ので、実際に業務や勉強のために使用するには不向きです。なのでLiveではなく、しっかりと保持できるようにしてやります。
データを保持できるようにするには大きく2種類の方法があります。
- OSをフルインストールする
- 起動オプションのpersistenceを使う
今回は後者の方法をご紹介します。
やることの流れはストレージ上にkali linuxが入っているパーティションとpersistence(ユーザデータを保存する場所)のパーティションを切り分けます。そして、persistence領域の設定?をして完了です。
外部SSDにPersistence領域を作る
今回私が使用したのは、Buffaloの外付けSSD(120GB)です。
それでは、まずは自分の外部ストレージのパーティションを確認します。私の場合は、パーティションが一つだけで、そのパーティションにkaliのデータが入っています。persistence領域を作るために、このkaliが入っている領域をリサイズします。
※この作業はkali上ではできません。
なぜなら、パーティションをリサイズするには、一度そのパーティションをアンマウントしなければいけないからです。kaliが起動している状態では、kali領域をアンマウント出来ないのです。
パーティションのリサイズに使うのは、AOMEIのPartition Assistant Standardというソフトです。
AOMEIのPartition Assistant Standard:
https://www.disk-partition.com/download-home.html

目的のSSDを選択したら、右クリックを押します。すると上の画像のように「パーティションのリサイズ」があります。

kali linux自体は約3GBなので、念のために4GBをkaliが入っている領域にします。そして残りの容量を未割当領域にします。

すると上のようになります。ここで元あった一つのパーティションをkaliが入っている領域と未割当領域に分割出来ました。この未割当領域を作成できたので、次は、この領域をpersistence領域にしていきます。この作業はkali上で行っていきます。
分割した状態を保存するために、画面左上の「適用」を押します。

するとこの画面が出てくるので、「続行」を押して完了します。
それではwindowsを切って、kaliをブートさせます。

まずは一番上の「Live system」で起動させます。
kaliが起動したら、ターミナルを開きます。先ほど作った未割当領域をpersistence領域にするのはコマンドでやっていきます。
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fdisk -l |
fdiskコマンドオプションlで、現在システムに認識されているディスクを確認します。

するとPC内部のストレージとkaliが入った外部ストレージが認識されます。赤丸が外付けSSDになります。すると私の環境では、外付けSSDが/dev/sdaとして認識されています。パーティションはwindows上でkali領域と未割当領に分割したので、実際にシステムに認識されているのは、/dev/sda1(kali領域)のみです。そして容量もしっかりと4GBになっています。
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fdisk /dev/sda |
fdiskコマンドで、/dev/sda(外付けSSD)を操作していきます。

fdisk /dev/sdaを打つと、Commandの要求がされます。ちなみに要求された時点で、mをおすとCommandの一覧が見れます。
まずはnを押して、未割当領域に新しくパーティションを作成します。あとはどのくらいのサイズを作成するか聞いてくるので、エンターをおしてdefaultの値で作成します。defaultは、未割当領域の全てを新たなパーティションに割り当てます。そして最後にwを押して、設定を保存します。

wを押して完了した後に、
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partprobe |
コマンドで、新しく作ったパーティションを早速システムに認識させます。
試しにもう一度、fdiskでパーティションを確認してみます。すると新しくるくったパーティションは/dev/sda2として認識されています。
次はこの新しく作ったパーティションにファイルシステムを作成していきます。
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mkdfs.ext4 -L persistence /dev/sda2 e2label /dev/sda2 persistence |
一行目でext4というファイルシステムを作成し、二行目で/dev/sda2にpersistenceというラベル付けをしています。

最後に、persistence領域の設定を行います。
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mkdir -p /mnt/usb mount /dev/sda2 /mnt/usb echo "/ union" > /mnt/usb/persistence.conf |

ここまで終われば完了です。
あとはrebootと打って再起動してください。
起動したら最初の選択画面で、Live system(persistence, check kali.org/prst)を選択してください。

試しに、kali linuxのデスクトップ画像を変えてみて、保存されているか確認してみます。
Kali Linuxのデスクトップ画像の変え方
まずは、"settings"を開きます。settingsを開いたら、 左の中からBackgroundを押します。
ちなみにsetteingsは、お気に入り欄の一番下にある白い塊が集まったようなマークのところから検索をかけて開けます。

上の画像のようになったら、左のBackgroundをクリックして、お好みの画像を選択します。

設定を変更したら、もう一度再起動してみます。

設定がしっかりと変更されているのが、確認できるかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考:Kaliの公式ドキュメント
https://docs.kali.org/downloading/kali-linux-live-usb-persistence