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金属を使って底泥型微生物燃料電池を自作してみた!(その2)

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前回の「底泥型微生物燃料電池を自作してみた」の続編で、使う素材を変えて実験してみます。一般的に(底泥型)微生物燃料電池の電極に使われる素材は、カーボン素材かグラファイト素材です。しかし、微生物燃料電池の有名な研究者であるLogan氏によると、金属でもカーボン系素材でも発電は一応するとのことだそうです。



ということで、今回は「金属」を用いて実験を行います。基本的な構造は前回と同じですが、電極に使う素材を金属に変えます。前回はAmazonで購入した素材を電極に使いましたが、今回は東急ハンズで購入してきた金属板を使います。使う金属は、「カソード極に亜鉛(Zn)、アノード極に銅(Cu)」です。


ここで少し金属とカーボンの特徴をまとめてみます。

カーボン素材の特徴は何と言っても多孔質であるという点です。微生物燃料電池は基本的にアノード極周りの微生物が繁殖する期間があります。多孔質であるカーボン素材には微生物がくっ付きやすく、十分な有機物があれば徐々に繁殖します。なので多くの微生物燃料電池は時間が経てば、その電圧も大きくなっていきます。



あとはカーボン素材は比較的導電性が高く、非汚染であるメリットなどを持ちますが、値段が高いというデメリットがあります。当たり前ですが、良いカーボン素材を買おうと思うと、コストがかかりますし、販売単位量も大きくなってしまい、少しだけの量を入手するのは困難です。

一方で金属の特徴は何と言ってカーボンよりも導電性が高いという点です。それに価格も高くないですし、容易に入手できます。しかし多孔性や耐腐食性には欠けますので、長期的な微生物燃料電池の運用を考えたときは、不向きかと思います。


それでは実際に実験してみます。基本的に前回とあまり変わりませんが、前回と比べて変更点が2つあります。それは電極素材と構造です。


まず電極についてです。

こんな感じで金属板にはんだ付けをします。 実は実験を2回行い、最初は金属と導線を強力な絶縁テープでくっ付けて行いました。案の定、2日程したら電圧がいきなり0Vになりました。絶縁テープがはがれ、金属板と導線が物理的に離れてしまいました。


今回作った電極のサイズは、5.5cm×5.5cm×0.3mmです。アノード極もカソード極もサイズは同じです。左が銅でアノード極なので、底泥型微生物燃料電池の下側に置く方です。上が亜鉛でカソード極なので、土の上に置く方です。


次に構造についてです。
前回と今回でこんな感じに変えています。

実際には土と水が半分半分ではありません。その辺は適当ですが、大体水が2~3割で残りの7~8割が土で占めています。


こんな感じに完成しました。


気になる電圧ですが、実際に測定してみた結果がこちらになります。

4~5日間、毎分自動測定しました。前回と違って、いきなり装置を作ってすぐに750mVが出ました。そして、時間を経るたびに少しずつ電圧が下がっていきました。もしかしたら導電性が高く多孔性をもっていないがゆえに、いきなり高い電圧が得られるのは金属の特徴かもしれません。


横軸が5000分のあたりを超えたところを見てもらうと、少しだけ飛び出している箇所があります。自分でも分かりませんが何を思ったのか、容器を机にガンガンとたたきつけると、少しだけ電圧が上がりました (回復?) 。この行為がどのような影響をおよぼしたのか化学的には原因特定できませんが、おそらく水と酸素の何かが変化したのかと思います。


全体を通して言えるのは、一般的な微生物燃料電池の挙動ではないのです。上述したように、カーボン素材を使うと、電圧が時間とともに上昇するのが一般的な挙動です。とはいえ、金属を使っても発電するみたいですね!


あと、測定結果は4~5日間しか行っていませんでしたが、微生物燃料電池自体はその後も、少しの間放置しておきました(単純に片付けるのがめんどかったため)。


そしたら、電極がこんな風になっていました。


原型はとどめていますが、明らかに電極が腐食しています。真っ黒です。ちなみにこれはカーボン極(亜鉛)です。アノード極(銅)は腐食している感じはなかったです。




最後まで読んでいただきありがとうございました。


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