何気なく購入した"MudWatt"ですが、LEDが光ってから、微生物燃料電池に興味を持ってしまいました。微生物燃料電池は、微生物が有機物分解時に放出した電子を利用した燃料電池の一種です。世の中には色々な役割を持った微生物がいるものだな、と興味が惹かれます。
微生物燃料電池の原理を紹介した記事はこちらです。良かったら見てみください。
URL : https://wireless-network.net/sediment-mfc-principle/
さて、今回作ってみるのは、MudWattと同じ"底泥型微生物燃料電池"です。
微生物燃料電池において、素材の選定は発電力にかなり関わってきます。不純物が少なく電気抵抗率の低いカーボン素材は高いので、"出来るだけ安く自作してみよう"、というのが今回の目的です。では作っていきましょう!
まず準備するものです。
- 容器 (プラスチックでもガラスでもなんでもよい。1Lくらいのサイズで十分だと思う)
- 電極 (カーボン素材のものを買おうかと思ったのですが、試作するだけにしては高いと思ったので、こちらを用意)
- 導線 (導電性のあるもの)
- 土壌 (栄養がありそうな土。臭くて汚いものが良い)
- 有機物 (土壌に含まれているなら不要だが念のために入れる)
- 水
材料は簡単に入手できるものを使用します。ということで、私が実際に用意したものはこちらになります。
土は購入したものを使用していますが、花壇の土でも大丈夫らしいですよ。栄養があるか不明な場合は、有機物を人為的に注入することをお勧めします。今回、私は有機物としてお酢を使いましたが、他のものでも代用できそうです。


※電極に関して
本来は カーボン素材を使用したかったのですが、サイズ単価が高かったので、こちらの動画を参考にさせていただきました。
ではさっそく作っていきましょう!
ステップ1:土壌の作成
土とお酢をもみながら混ぜていきます。用意する土の量は、容器に合わせて調整して下さい。混ぜ具合として、土が乾燥してなさそな感じになるまで、お酢を少しずつ入れては揉みこみます。乾燥してない程度まで混ぜたら、次は水を入れます。これも目分量で大丈夫です。水まで混ぜて土が乾いていなければ、土壌の完成です。
ステップ2 : 容器と電極の作成
容器の蓋に穴をあけます(導線を通すため)。
次に電極を作ります。電極素材の元を5cm×5cmの正方形に切ります。用意した導線を下の画像(右)のように、先をハンダ付けして、電極素材に刺さりやすくします。導線を挿したら、電極の完成(画像左)です。

ステップ3 : 組み立て
最後は組み立てておしまいです。まず最初に作成した土壌を容器の底に少し詰めます(目分量です)。少し詰めたら、その上に作成した電極の片方を置きます。電極を置いたら、残りの土壌を全て容器に入れます。最後に土壌に一番上に、もう片方の電極を置きます。あとは、導線を容器の蓋の穴から通したら、底泥型微生物燃料電池の完成です。見た目はこんな感じです。

これをテスターなどの電圧測定機につなげば、電圧を測定することが出来ます。
底泥型微生物燃料電池を30日間測定してみた!
約一カ月間、上で自作した底泥型微生物燃料電池のオープン電圧をロギングしてみました。
測定期間中は、部屋にこの底泥型微生物燃料電池を放置してただけです。
その結果が下のグラフです。

一分間隔で自動測定しています。日に日に徐々に起電力が上昇しているのが分かります。
しかし、大きく揺らいでいるのはなぜでしょうか。周囲の環境が影響しているのでしょうか。それとも素材の選択が悪かったのだろうか。具体的なところはわかりません。
いずれにせよ、良い微生物燃料電池だと論理的には、オープン電圧で1.0V強くらい出るそうです。しかし私の初号機は最大で390mVでした。まだまだ改良の余地はあるみたいです。原因は今のところ不明ですが、また時間がるときに追及していこうかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。